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ちりとてちん 印象に残ったせりふ 21

第23週 終わりよければ滑ってよし

草々。
はい。
木曽山くんの初高座、もう決まったんかいな?
初高座? あ、考えても見ませんでした。

磯村屋さん、ほんまにありがとうございます。おい、木曽山。10月の散髪屋さんの会が、お前の初高座や。
分かりました。ありがとうございます。
出てくれるか。そら、ありがたい。

正平。お前一体、何がしたいのや。
正平は、外国の大学に行きたいんや。
ほうなんか?
僕は、恐竜の研究がしたい思うとった。ほんでも、博士号を取ろう思うたら留学せなあかん。それはめちゃくちゃお金のかかることやでえ。
ほやさけえ就職もせんと小次郎の真似しよった言うんこ。何ぞそれは。
お父ちゃん。
それやったらそれでなんぼでもやりようあるやろうが。ちゃんと就職して、お金貯めて留学するなり。お父ちゃんに相談するなり。
ほんなことしたかって、どうもならんことぐらい正平かって...
それでもや。そら結局はどうにもならんかったかもしれん。そんでも、一言相談ぐらいしてもええやろうが。
ほやなあ。ごめんな。ごめんな、お父ちゃん。


外に出ていこうとする正平を、おばあちゃんが止めて。

なんぼ外側取り繕うても、中まで変わりませんなあ。こねして衣装まで付けんと、はみ出すことも出来んのやさけえなあ。正平。あんたは昔から変わらん。よう冷静にもの見て、気遣いのできる、賢て優しい子や。ほやさけえ、おばあちゃん心配やったんや。塗り箸継いでくれる思うて喜んどる正典の顔見たら、よう言い出さんかったんやな。お父ちゃんがっかりさしてまで、我を通したかって、それもまた苦しいんやなあ。あんたゆう子は。

木曽山。
はい。
今日から初高座に向けての稽古に入るからな。
はい。
兄さんらも来てくれる言うとんなりました。ありがたいですね。みんなが気にかけてくれとんなって。
はい。
磯村屋さんは大事なお客さんや。草若師匠の代からお世話になってる。磯村屋さんのためにも、しっかりやらなあかんで。
はい。
うん。

木曽山くんの「はい」が、嘘の「はい」やと言うことに、私はまるで気が付いておりませんでした。

どない? あの胡散臭い弟子。
胡散臭いって。まあ、しょうもない嘘ばっかり付いてますけど。あ、木曽山くん10月に初高座控えとんです。
ええ、それ早う言うてよ。おかみさんの喜代美にとっても一大イベントやん。いやあ、どないなんねんのやろうな。何かやらかしてくれへんかな。喜代美ちゃんの初高座の時みたいに。
まあ、木曽山くんは私と違うてしっかりしとるさけえ、ほんなことは。ん。いや、なんか今日様子がおかしかったんです。
おかしいって、どんな風に?
何や、急に落語が下手になってしまって。前はりゅうちょうに喋っとったのに。
怪しい。
え?
絶対何か企んでる。
いやいやいやいや。初高座は特別やさけえ。なんぼ木曽山くんでも緊張するんや思います。
そんなことやろか?

お姉ちゃん。
正平。どねしたん?
ごめんお姉ちゃん。しばらく泊めてもろうてもええ?

お母さん。
ん?
うち、分かっとったんです。ほんまは正平が留学したかったいうこと。やっぱり正平は気い遣うとるし。遠慮しとるいうこと。ほやけどお金のことはどうしようもなくて。正典さんには納得行くように塗り箸作って欲しいいう気持ちもあったもんですさけえ。結局正平に甘えてしもうたんです。親のくせして子供に甘えてしもたんです。えらいことしてしもうた。

糸子さん。
はい。
子育て言うたら、そんなもんですやな。誰かて子供が生まれて初めて親になるんやし。やり直したい思うたかて、出来んのやさけえ。そね思うようにいかんで当たり前ですがな。
お母さん。小次郎さん育てなった人が言うたら説得力あるわ。
糸子さん。
すいません。
ほんでもまだまだ分かりませんわな。そら正平は、今は苦しいかも分からん。ほんでもこの先、塗り箸職人になるにしても恐竜博士になるにしても。
恐竜博士。
すんなりなれるよりかずっとええように、うちは思いますけどな。

糸子さん。あんた、正典と結婚してからゆうもん。人にお茶の一杯も入れてもらうことなく、ずーっと家族のために働いてきたんですやな。大丈夫。うん。そういうあんた見て、生きてきたんやさけえ、ちょっとぐらい甘えても正平は恨んだりしませんがな。

そうか。いや、もしかしたらそうやないかなあとは思うとったんや。
そうやないかって?
いや、ずっと前に正平に相談されたことがあったんや。やっぱり、諦めてへんかったんやな。心の底では。
あたし、何も知らんかった。
お前には言わんといてくれって言われてたんや。お前がテレビの仕事で忙しい時でな。余計な心配かけたくない言うて。
正平は、よう私のこと見てくれはりました。その時一番言うてほしいこと言うてくれたり。自分でも分からん気持ち、そっと教えてくれたり。ほやのに私。私はお姉ちゃんなのに、正平の気持ち一個も気い付かんと。あたしって、ずるいお姉ちゃんやな。ほんまは私がもっと家のこととか考えなあかんのに。あたしがやりたいことやってるさけえ、正平はやりたいこと諦めなあかんって。
もうやめ。そんなこと言うたらあかん。わがままでもなんぼずるくてもや。やりたいことやってるお姉ちゃんが、正平は大好きやねんぞ。


小草若が「はてなの茶碗」の稽古をしてると、


下手くそ。やめてまえ。
四草。
僕とちゃいますよ。平兵衛です。
ほんまかあ? ほなおまえどない思うてんねん?
何がですか?
決まってるやろ、俺の落語や。
まあまさに、「はてなの茶碗」って感じですね。
ほんまか?
今の小草若兄さんが演じたかて、一文の値打ちもない。仮に草々兄さんが演じたら、まあ千両とは言いませんけど金の取れる芸にはなるでしょう。はてなの茶碗に拘ってんのは草々兄さんが手出してへん大ネタやからでしょう? 愛宕山やったら比べられてまうから。そんなせこい算段ばっかりしてるから、いつまで経っても小さい草若のままなんですよ。

木曽山くん。どねしたん? 良かったら話して。私はおかみさんなんやでえ。こういう時のためにおるんやで。
怖いんです。高座に上がるのが。
ほやけど落研でやっとったんやな。
あれは嘘です。落研出身なんかやないんです。レパートリーが15、6あるっていうのも嘘です。家で独りで鉄砲勇助ばっかりやってた、独り落研なんです。無理です。高座に上がって、大勢の前で喋るやなんて。
ほやさけえ急に下手な振りしたりもたもたして稽古さぼっとったん?
アホかお前は。
草々兄さん。

失敗したかてええねんよ。あたしかって初高座は大失敗やったんやから。
あれなあ。
あれはひどかった。
見てんの辛かったもんな。
ほんでも、兄さんらも師匠も家族も、みんなは見放さんとあたしのこと辛抱強う見守ってくれた。初高座で大失敗した「ちりとてちん」。天狗座の一門会でみんなの前でやれた時、ほんまに諦めんでよかったな...
おいおい、何自分の世界に入ってんのお前。
あ、すいません。木曽山くん。一緒に頑張ろう。これからは一人で抱えんと、何でも私に言うて。私は、おかみさんなんやで。

喜代美ちゃん。自分に酔うてる場合やないで。
え?
怪しい。絶対怪しいで、木曽山。
奈津子さん。
今更、落研は嘘やったやなんて。高座上がるのが怖いんです、やなんて怪しいにも程があるわ。
奈津子さん。ほら木曽山くんは嘘付きです。ほやけど私段々分かるようになったんです。嘘付いとる時と、ほうやない時。目見たら分かるんです。
ええ?
これが弟子とおかみさんの関係ゆうもんなんですね。ああ。

しかしこれが勘違いも甚だしかったのです。

木曽山くん。
はい。
僕からこんなこと言うのおかしいかもしれんけど、頑張ってな。落語家になりたくてなりたくて、草々さんに弟子入りしたんやろ。人前で落語するゆうのは、そら勇気いる思うけど。でも、頑張って乗り越えて、初高座に出て欲しい。お姉ちゃんな、ええおかみさんになろう思うて一生懸命なんや。ほやさけえお姉ちゃんのためにも、木曽山くんには勇気出して欲しいんや。
正平さんって、僕の一番苦手なタイプや。真っ直ぐな目して。嘘付くかいがないゆうんかな。
木曽山くん。
嘘なんですよ。
何が?
僕が話した、初高座に出たないわけ。
どういうこと?
ええですか? これから話すことは全てほんまです。正平さんだけに言うんですから、みんなには秘密ですよ。
うん。
僕は、ほんまに落研出身やし、鉄砲勇助の他にもレパートリーはあるし。高座に上がるのが怖いなんてことはありません。
そしたら何で?
嫌なんです。初高座が、散髪屋の落語会やなんて。せっかくプロとしてデビューすんのに、しょぼすぎると思いませんか?
おい木曽山。
お兄さん、落ち着いて。


喜代美ちゃんは木曽山くんを殴ってしまう。

来て。謝って。磯村屋さんに謝って。
だって、何で散髪屋さんに僕の初高座、決められなあかんのですか? 落語すんのは僕ですよ。座布団に座って誰の力も借りんと一人で、20分喋るんですよ。初高座の場所ぐらい自分で選ばしてくれたかてええやないですか。
木曽山。
落語は一人でやるもんと違う。みんなに支えられてやるもんや。磯村屋さんは徒然亭を愛してくれとる。上方落語を愛してくれとる。それを、散髪屋の落語会はしょぼいから出たないやなんて、そんな人間徒然亭におって欲しくない。スポットライト浴びて、舞台の真ん中におるもんが主役や思うたら大間違いや。それが分からんのやったら落語なんかやめてしまい。

ついこないだまであんたかて分かってへんかったんと違うの? と言いたくもなりますが、心の底から出た言葉でした。

お姉ちゃん。
やってもうた。
え?
せっかく弟子とおかみさんとしてええ関係作っていけそうやったのに。叩いてしもうた。

磯村屋さん。申し訳ありません。木曽山はまだ高座に上がるだけの修行が出来てませんでした。私がそれを見抜くことが出来ませんでした。本当に申し訳ありませんでした。
草々。もう顔上げて。なあ。顔上げ。
申し訳ありませんでした。
草々。こら、顔上げて。

ええか、木曽山。落語は何百年もの間、何百、何千もの噺家によって口から口へと伝えてきたもんや。けど、噺家だけやないんや。小屋に足運んでくれはるお客さん、落語を聞いて笑ろうてくれはるお客さんらが、今の世に伝えてきてくれはったもんなんや。それを絶対に忘れたらあかん。


もう一度草々師匠、若狭、木曽山くんが磯村屋さんにお願いして、木曽山くんは散髪屋の落語会で初高座が出来ることに。

あ、木曽山くん。やっぱり嘘は程々にしといた方がええで。木曽山くんがほんまの気持ち打ち明けたさけえ、お姉ちゃんかてほんまの気持ちでぶつかれたんや。そうせんと、ええ関係は作られん思うで。
やっぱり苦手やな。正平さんは。ありがとうございました。

正平。ごめんな。お母ちゃん長いこと、あんたに甘えてしもうて。
僕こそ、長いことよう甘えんでごめん。小浜帰って、お父ちゃんとよう話してみるわ。

さて、いよいよ木曽山くんの初高座の日でございます。

お前の芸名は、徒然亭小草々や。
へ?


若狭が木曽山くんの初高座祝に用意した箸は、お父さんじゃなくて正平が作ったものだった。

ありがとうございます。正平さんが言うてはりました。「これは失敗作や。小手先の器用さだけで、どうにか体裁が整っただけや」って。小手先で器用に落語やったらあかん。大勢の人に支えられて、初めて本物の落語が出来るようになる。自分一人でやってる気になった時には、これ見てそのこと思い出せいうことですね。
うん。まあ、ほういうことや。
ほんまかいな。

おかみさんいうのは不思議なもんやな。弟子の初高座が受けただけでなんでこないに嬉しそうなんやろうか。草々兄さんは私の横顔を見ながらそんなことを思っていたそうです。
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