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ちりとてちん 印象に残ったせりふ 20

第22週 聞かぬは一生の箸(はし)

嘘付き。
え?
ビーコのせいで私の人生めちゃくちゃや。
エーコ?
ええ気なもんやね。人のこと東京へ追いやっておいて、自分は落語家の夢叶えて、草々さんと結婚して。草々さんは言うてくれとったのに。「あたしのこと好きや」って。「東京へは行かんといてくれ。一緒におってくれ」って。ほやのに、ビーコが余計なこと言うから。

(草々兄さんのこと好きなんや。胸張って生きられん人間にはなりたない。草々さんのそばにいてあげて。お願いします。)

あんなこと言われたら、東京行くしかないやん。ほやけど、今んなってよう分かったわ。全部嘘やな。
嘘?
ビーコは草々さんのことが好きやったさけえ、あたしのことが邪魔であんなこと言うたんやな。
何言うとん。
別れるんやなかった。ビーコなんかの口車に載せられて草々さんと別れたりせんかったら、こんな不幸な目に遭わんですんだのに。
不幸って。
あたしやったはずなのに。草々さんの隣におって草々さんのこと支えんのは、ほんまは私やったはずなのに。

ただいま帰って参りました。お陰さまで、父と母も許してくれはりました。
どね言うて説得したん?
弟子入りはやめたって言うたんですよ。
え?

お前のお父さんは嘘付きか?
嘘付きの師匠です。
何やそれ?
僕の嘘は見抜かれましたけど、嘘付いてまで落語家になりたいいう気持ちは分かった言うて、許してくれました。
それは、ほんまなんか?
はい。
そのはいはほんまなんか?
はい。

若狭、言うたらおかみさんの。スケジュールですね。7月に高座の依頼が。福井県の小浜市民会館から。
何や?
どねしましょう?
いや、どねしましょうって? 行かんかい。
ええんですか?
ええって?
私はもう、おかみさんになったんやでえ。ちゃんと木曽山くんの面倒を見んと。
おかみさんになったからって、お前から落語取り上げる気はないで。行ってき。里帰りも兼ねてゆっくりしてきたらええ。
ほやけど。
故郷に錦飾る、ええ機会やねんから。

あ、そや。製作所の清海ちゃん、確か同級生やったな。
はい。
あの子はあの子でほれ、こないだあの勝山に出来た恐竜博物館行っとるわ。
ああ、昔恐竜の化石拾って新聞に載ったもんね。
ああ、ああ。オープニングイベントや言うては駆りだされてるらしいわ。

エーコのことが、やっぱり気になっていました。

エーコさん?
あ、正平くん?
久し振りですね。
何か、感じ変わったね。
え? ああ。エーコさんも、ちょっと。
ああ、これ。エーコさんが見つけた化石ですね。あん時は学校中、すごい騒ぎやったなあ。僕ら一年も、みんなエーコさんに憧れとって。やっぱエーコさんは違うなあ。小浜のスターやなあ言うて。騒いどったんですよ。あ、エーコさん?

なあ、おばはん。
ん?
俺、なれる思うか? 草若の名前に相応しい落語家に。なあ?
さて、どうやろうなあ?
もう、真面目に答えてえなあ。
ほんな、おばちゃん分からへんもん。どんな落語家が草若の名前に相応しいんか。
何で分からへんねん。
ひとしはひとしやん。ひとしらしい落語したらええねん。
それではあかんねん。早う小っちゃいいう字が取れるようにならんと。

うちの清海はいっつも言うとったんよん。ビーコちゃんはすごいって。
え?
独りで大阪出て、やりたいこと見つけて。それ、ちゃんと実現しとるって。どねしたらビーコちゃんみたいに生きられるんやろうかって。大阪で一人暮らししとるころ、電話でようそね言うとった。三年生の時やったね。ビーコちゃんが転校して来たん。
はい。
あの時も清海、喜んでねえ。

(どねしたの?
あのな、あのな。今日、転校生が来たん。
そうう。
和田喜代美ちゃんいう子なの。
あらあ。同じ名前?
面白そうな子で、あの子とやったら、ええ友達になれそうな気するんやわ。)

あの子とやったらって。エーコはいっつも、みんなに慕われとったのに。
清海は誰とでも仲良う出来る子やけど、一人でええさけえ、親友が欲しいって言うとった。ほやさけえあの時もやっぱり息はずまして帰って来たわ。
あの時?
ビーコちゃんと一緒に三味線ライブやるって決まった時。足引っ張ったらあかん言うて、毎日遅うまで稽古してねえ。ビーコちゃんと一緒にステージ立てんのがよっぽどうれしかったんやろうね。

私はエーコの何を見てきたんやろうか? エーコと話がしたい。その思いがこみ上げてきました。

師匠の威厳ゆうもんは、怒鳴ったら出るわけやないさかいな。
どないしたらなれるんでしょうね。草若師匠みたいに。

やめとき。
え?
今エーコと話してどねなるんな。
私、エーコのこと何も分かっとらんかったで。ちゃんと話してちゃんと分かりたい思うて。
あんな。あんた長いこと勝手にエーコのこと妬んだり羨んだり、恨んだりしとったわな。
うん。
人の言葉なんか耳に入らんと、自分だけの世界に閉じこもってしまっとったやな。
はい。
今のエーコは、そねなっとんの。会うたところで、エーコはおもしろないやろうし。あんたかて傷つくだけや。
傷つく? 私が? 何で?
とにかく、やめとき。
はい。

お見合い? 清海が、自分からするって言うたんですか? お父さん。
製作所を継げるのは清海しかいない。
可哀想です。
清海は夢破れて帰って来て、道を見失っている。今は迷いや葛藤があるかもしれない。けれど、清海は優しい面倒見のいい子だ。この道を用意してあげることが、いずれあの子を立ち直らせてくれると、私はそう思う。


エーコのいる部屋のドアをノックする音がして、

お父さん? ビーコ。
エーコ。
何?
今から、お見合いやって聞いて。
それで? お見合いやって聞いて、ほんで何しに来たん?
いや、ほやさけえ。もっと前から来たい思うとったんやけど。順ちゃんにあかん言われて。ほやなあって納得しとったんやけど。お見合いやって聞いたら、思わず来てしもうて。けど、何しに来たって聞かれたら。お邪魔しました。
ビーコ。お見合いは自分で決めたことやで、ビーコに心配してもらうようなこと何もないさけえ。
嘘やな。ほんまは気進まんのやろ。望んで選んだ道やったら、そんな顔しとらんはずや。
ほしたらどねせえ言うの? お父さんが望んでることなんやでえ。
エーコが望んどらんのやった...
やめて。エーコやなんて。呼ばれる度にぞっとしとったわ。あんたはええ子や。わがまま言わん。親の期待裏切らん。ほうやないとあかんって。そね言われとるみたいで。東京行く言うた時、お父さんに反対された。けど、私かてええかげんええ子ちゃんのエーコから逃れたかったでえ。人生で初めて、わがまま言うたんや。ほやけど結局、変われんかった。やっぱり私は、ええ子でおるしかないんやわ。


エーコは首にかけてた石のネックレスを外して。

これ、返すわ。
これ。
捨てたんやね、海に。
何で?
何でか、私のとこに戻って来たわ。ボロボロに錆びついて。帰って。
エーコ。
帰って。

ちょっと師匠に問い詰められただけでほんまのこと言うて、どこが鉄砲勇助や。
鉄砲勇助も平兵衛の算段には負けるか。
何感心してまんねん。
もうそんなのどうでもええすよ。ああ、おかみさんの思い出が。

ほやさけえ、話しても傷つくだけや言うたやな。
ごめん。
ついでやさけえ言うたるけど、あの化石のこと、あんたはエーコに手柄取られたみたいに思うとったかもしれんけど、ほんまにしんどかったんはエーコの方やと思うで。ずーっと人前で嘘付き続けなあかんかってんから。あんたのおかげで。そういうこと、考えたことあるか?
あたし、どんだけエーコのこと傷つけとんやろう。
さあなあ。ほやけど、そんなことはお互い様や。生きとったら人傷つけることかてある。だらだら生きとったかて一生懸命生きとったかて、それは同じことや。人と関わって生きとる限りはな。

友春。
何。
お父さん、製作所をたたもうと思ってる。
え?

清美のお見合い、中止した。
ほうけえ。ありがとう、お父さん。どねかした?
いや。それじゃあ、また来る。

私は、子供の頃箸がうまく持てませんでした。ナイフとフォークで育ったもんでね。
お金持ちのお子さんなんですね。
いやいやいや。
父の祖国の文化に合わせて暮らしていたんです。
それでジョン・トラボルタみたいに男前なんやね。
うちはもう、ジェームス・ディーンが来たか思いましたで。
何を言うとんの。
それでお箸が使えなかったと。
父が祖国に帰ってしまい、母が新しい家族を持ちました。そこで私が馴染めないのは、箸が使えないせいだと思いました。何とか上手になりたくて、いろんな箸を試しました。慣れてくると一番手に馴染むのは若狭塗り箸でした。
ほうですやな。
お母ちゃん。
やっと箸が使えるようになって、みんなと一緒に鍋を突いた時、これでやっと受け入れてもらえた気がしました。私にとって箸は家族の象徴でした。伝統若狭塗り箸の職人になりたくて私は小浜に来ました。暖かく迎えてくれて本当に嬉しかったです。ある時、中学生だった正典くんが工房に入って来て、ほんの遊びで塗り箸づくりを始めたんです。
わしが?
それが、全然違ったんです。それは先代、いやもっと前から脈々と受け継がれてる箸で、私が作るものとは全く違いました。正平君の塗り箸を見た時も、そう思いましたよ。だから、「あの時と同じだ。」そう言ったんです。
何や、そういうことやったんか。
私には先代や正典くんが作るような箸は作れない。やっぱりここでも、私はよそ者なんだと思いました。そんな時に出会ったのが静です。
奥様ですか?
はい。静は箸の生地を扱う小さな工場の娘さんでした。
取引先の娘さんやったさけえなあ。正太郎ちゃんもよう知っとって。「ええ娘さんや」って喜んどった。
結婚して友春が生まれて、私は幸せでした。けれど、同時に不安になりました。自分は伝統若狭塗り箸の職人として、本当にやっていけるんだろうか。家族をちゃんと食べさせていけるんだろうか、と。だからと言って、諦めるのは嫌でした。私は塗り箸職人になりたくて、この小浜の人間になったわけですから。それを諦めさせてくれたのは、正典くん。やっぱりあなたでしたよ。

もう決して敵わないと思いました。努力や情熱だけでは手の届かない境地というものがあります。もちろん正典くんが出て行ってしまった以上、私が師匠の塗り箸を受け継ぐしかないと、そう思っていました。だけど。私には正典くんの代わりは務まらない。そう思い知らせれるばかりの日々でした。とにかく作り続けるしかありませんでした。

(正典。ああ、秀臣こ。あまり根詰めんと寝よ)

それが決定的な出来事となって、私は師匠の元から去りました。

師匠と決別した私は静の実家の生地工場から少しずつ事業を拡張して、あの製作所を作りました。
それで、着々と成功を収めはったんですね。
経営が軌道に乗るに従って職人をやっていた時には見えなかったものが、次第に見えてきました。
それは?
伝統は、技術を受け継ぐものだけがいても、伝わっては行かない。それを確実に時代に手渡していく役割を担うものがいなければ。そして、やっと分かったんです。それこそが製作所の、私の仕事だと。小浜は塗り箸の町。製作所を大きくすることによって、それを全国にアピールできる。それは伝統若狭塗り箸を守ることにほかならない。そうして、先代の役に立てる。そう思ったんです。
秀臣さん。
ほしたら、合併や合併やって何度も言うとんなったのも?
ほっとしましたよ。正典くんが小浜に帰っていらした時は。
母ちゃん、もうええやな。秀臣さんはずっと、伝統若狭塗り箸を大事に思い続けてくれてたっちゅうことが分かったんやさけえ。
あかん。
お母さん。
許したりいな。
嫌や。嫌や。秀臣が正太郎ちゃんを傷つけたことは、変わりない。
ほやさけえ、それは誤解やったんやろうが。
いいんです。許してもらいたくて話したわけではありませんから。
あのお、もしかして。いや、やっぱり何でもない。
何ど?
気持ち悪いやん。言うてえな。
おじいちゃんが怒っとったんは、塗り箸捨てたとかほんなことやなくて、エーコのお父さんが他人みたいな顔して出て行ってしまうたからと違う? 昔、草若師匠が草々兄さんのことを破門にしたことがあんねん。師匠は、ほんまの子どもや思うて育てとったのに、草々兄さんがいつまでも他人みたいに遠慮しとったことが何よりも許せんかったって。おじいちゃんも、ほうやったんと違うかな思うて。
正太郎ちゃんは、分かっとった。あんたが正典に対して、劣等感持っとることも。出て行く時の捨て台詞も、ただの強がりや言うこと。気が付いとった。ほやからこそ、傷付いたんや。ほやからこそ、許せんのや。
お母さん。お母さんもやったんですね。秀臣さんのこと、大事な大事な息子や思うとったんですね。
お母さん。
秀臣。ごめんね、ごめんね。秀臣。

お父さん、待っとん?
うん。
良かったら、見に来て。今すぐは無理かもしれんけど。けど、私、エーコとちゃんと分かりあいたいでえ。ほんまの友達になりたいでえ。
悪いけど、私はまだそんな気になれんさけえ。


草々師匠は、おかみさんからプレゼントされた思い出のスーツを弟子の木曽山に洗濯されてしまい、すごいショックを受けていたけど。草原兄さんがスーツをプレゼントしてくれた。

俺からのプレゼントや。
え、兄さんからの?
今のお前にぴったりのはずやで。ええか、草々。お前も弟子取って師匠になったんや。師匠のこともおかみさんのことも、そら忘れたらあかん。けど、思い出にしがみついててもあかん。着るもんも身の振る舞いも、これから色んな意味で身の丈におうたもん身に付けていかなあかんで。
はい。ありがとうございました。よっしゃ、若狭。着てみるで。

で、どこまでがお前の算段やったんや?
何がですか?
とぼけんな。草々に師匠の自覚持ってもらいたくて、木曽山に洗濯さしたんやろ。
さあ、どうでしょうね。
ま、どっちゃでもええけど。スーツ代半分払えよ。
は?
そこまでは算段してへんかったか。

この正平の作った塗り箸には、まだまだおもいもかけへん展開が待っております。

お父ちゃん、ごめん。やっぱり僕、塗り箸は継げん。

おばあちゃんがエーコのお父さんを愛したように、そして、亡くなったおかみさんが草々兄さんを愛したように。私も木曽山くんを、かけがえのない家族やと思うて愛さなくてはと思いました。が、それは口で言うほど簡単なことではなかったのです。
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