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最近はSKE48ばっかり。

ちりとてちん 印象に残ったせりふ 5

第7週 意地の上にも三年

草々さん、ここでやりませんか、落語会。このお店でやりませんか?

今日から俺がお前の寝床。今日から俺が、
おはよう。その歌、やめ。
耳について離れんようになってしまって。
それが熊はんの歌の恐ろしいところや。

へえ、師匠が。
稽古の声に誘われるようにしてふらふら~っと出て来てえ。
天照大御神やないんですから。
もしかして師匠はまた落語をやる気に。
そやな。この稽古場に風が通るようになって、師匠の気いも変わってきたのかも分からへんな。
早よ稽古の続きしましょう。

うるさいな、何ごちゃごちゃ言うてんねん。
ええ気なもんやな、弟子に落語会さして。あわよくば自分も復帰しようちゅう腹か。俺は認めへんぞ、あんたの落語なんか。
小草若。
あんたの落語のせいで、おかんは死んだんやからな。
やめ、草々。心配すんな。俺は二度と高座には戻らん。
師匠。

あのー、聞いてもええですか? おかみさんのこと。前から気になっとったんですけど、何か聞いたらあかんような気して。
おかみさんは、お囃子さんやったんや。師匠の高座のはめ物は、たいがいおかみさんがやってはった。
ほな、あのテープの三味線も?

不器用な人でなあ。家事も三味線も、何をするにも一人前になるまで人の倍の時間かかってはった。たんぽぽの花が好きで。
たんぽぽ?
本人もたんぽぽみたいな人やったな。おかみさんがいてくれはるだけで、何や気持ちが明るうなった。そこだけいっつも春の陽だまりみたいに暖かいんや。

師匠さんは、いつでも亡くなった奥さんのことを考えてはったんや。でも、それやったら何で?

小草若さん。
喜代美ちゃん?
あのお、三年前のことですけど。師匠さん、何かわけがあったんやと思います。
親父の味方すな。親父の味方するやつはおかんの敵や。
ひとし。ひとし、あのな。おばちゃん知ってんねん。三年前のあの日、あの一門会の日な。草若さんがどこにおったんか。
今更何を言うとんねん。どうせ女のとこやろ。
違う。
え?

今日、何やらはんの?
愛宕山。
え?
ま、すまんな。どうしても小屋の方で、そのネタでやってくれって言われて。俺かて、お前のお囃子でやりたいがな。そやさかい、早よ元気になってくれ。な?
はい。
ほな、行くわ。
頑張って下さいね。あ、子供らにもそない言うといてね。

あの日な、私、志保さんのお見舞いに行ったんや。
あたしね、菊江さん。もう何ヶ月も持たへんねん。親も同じ病気で亡くしてるし、自分でだいたい分かるんよ。さっきな、師匠の様子がおかしかったんや。もしかしたら、知ってしもうたんかもわからへん。

そのまま、草若さんが高座すっぽかしたって聞いて、志保さん、こない言うた。「師匠はいっつも言うてはる。芸人たるもの身内の不幸でも何でも笑いに変えるようでないとあかんって。子供らには、誰よりもひとしには知られたないと思うねん」
ええ、そんな。奥さんの余命があとちょっとや言われたら、落語なんか出来んのが当たり前やないですか?
芸人ゆうのんは、それが出来なあかんねん。
でも。
そうゆうもんなんや。
ひとし。あんた文句言いもって、ちゃんと草若さんの芸の魂受け継いでんのやねえ。それでええのやろね。ほんまのこと言わへんゆうことは、師匠として精一杯虚勢はってんのやもんね。親としては軽蔑される覚悟で。堪忍な、志保さん。とうとうほんまのこと言うてしもうたわ。

ええか、喜代美。お母ちゃんはな、何も喜代美が憎うて厳しいしてるわけやないんやで。
ほやろか?
これはお母ちゃんが、お母ちゃんのお母ちゃんに教えてもろうたそばの味や。その味を、あんたにも覚えてもらいたいのや。

小草若。
何や。
底抜けに、お帰り。

師匠さん何しとんなるんですか?
あくび。
始まりますよ、落語会。
俺はええわ。
何を眠たいこと言うとってんですか。
お母ちゃん。
眠たい?
師匠さんが、父親が聞いてやらんで誰が聞くんですか?

草原にしたら長い枕やったな。三年の間に、ぎょうさんネタ拾うてきたんや。四草も、やっと崇徳院やる気になったんやな。
ずっとおんなったんです。
え?
草原さんのそばにも、四草さんのそばにも。ずっと師匠さんがおんなったんです。

寿限無はさっき草々がやったやろ。

三年前、一門会というのがあったんですが。歳のせいですかな、情けないことに道に迷うてしまいました。うろうろうろうろ、三年かかってやっとここにたどり着きました。お客さんを気持ちようお返しするのが、トリの勤めでございます。ま、一つこのお話でお付き合いを願います。
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