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最近はSKE48ばっかり。

ひなたVOX 遊佐未森 1.私が育った仙台のまち

ごきげんいかがですか?
行きつけのアンティーク屋で、フリージアの香水を手に入れた私は、なんだか、このごろとてもいい感じで暮らしています。コロンは、何もしゃべらないけれど、その愛らしいビンを眺めているだけで、友達と一緒にいるような気分になります。そして、その香りは、小さい頃いたずらしてつけてみた、あの懐かしい感じを蘇らせてくれます。瞳をとじると、その時の情景が浮かんできては消えてゆき、走馬灯のように、私の中でぐるぐる回っているのです。
私は、仙台で生まれました。歌うことが大好きで、いつも夢を食べて生きているような女の子でした。アカデミックではないけれど、まわりには、心から音楽を楽しむ人が多かったように思います。「歌ってごらん?」という言葉に何の抵抗もなく成長できたのは、家族、それからそばにいてくれた人々、そばにいてくれた物たちのおかげだと思います。
家のまわりは、整地されていない空き地が広がっていて、電線のない大きな空を見ることができました。ゆっくり流れてゆく雲、雲間から射す金色の日光、どこまでも続く青空を見ていると、もう嬉しくて嬉しくて、ひとりでに笑ってしまうのです。耳をくすぐる風のささやきと草の香りに包まれて、鼻歌をうたいながら四つ葉のクローバーを探すのが、とても楽しい日課の一つでした。夜になると、お弁当を作ってもらい2階のベランダへ出掛け、ただただ星を見ていました。夜空を眺めていると、とても大きな物に抱かれているような気分で、安心して思いを巡らせました。
私の歌の世界、心の中の宇宙は、ボ~ッとすることの自由を味わいつつ、ゆっくりゆっくり大きくなっていったように思います。
香水ビンは、言葉を持たないけれど、じっと見つめていると、大切な何かを教えてくれます。
毎日、ていねいに生きていきたいな。

第1話 週刊FM '89年1号('88年12月19日発売)

 
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